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店主のひとりごとワールド


【ワールドカップ】
Y氏よ、今いずこ?

ワールドカップの予選も終わり、日本は熱狂の渦の中。
こんな時、思い出さずにおられないのが前回登場したY氏。
5月の半ばの話です。
前回の虫の一件からだいぶ日が経ち、久しぶりに食事でもということになり、地鶏料理屋のカウンターに並んだY氏と私。

Y氏
「いやあ、もうすぐワールドカップでんなあ。もう仕事が手につきまへんわ。」

開口一番にこやかに語るY氏。

「そうだったねえ。Yさんは熱狂的なサッカーファンだったよね」

Y氏
「6月は一ヶ月仕事しまへんで。このために4年間、全試合を観戦するためワールドカップ預金をしてたくらいですもん。前のフランスでの開催の時は50万ほど貯めて使い切ったけど、今度は自国の分、結構安く上がりましたわ」

「えっ、ご、ごじゅうまんえん!? サッカー観るためにそんな大金を貯めてたわけ!!もしかして韓国まで観戦に行くつもり・・・?」

すごい話だ。こんな熱烈サポーターが身近にいたとは・・・。名古屋コーチンを石焼きしていた手が止まった。

Y氏
「そりゃ当然ですわ。韓国行きの航空券が取れずに行きはビートル船に乗って、韓国で観戦したあとはとんぼ返りで日本、そしてあとは飛行機、車、バスを駆使してぐるぐる全国を廻るのですわ。もう時間との戦い。チケットを揃えるのも苦労したしなあ。一番高いので10万もしたし」

と嬉々として語るY氏。1年中アロハシャツとジーンズという定番ファッションの彼のアロハシャツの今日の柄とやらを眺めながら、呆れるやら、感心するやら。料理は次の薩摩シャモのスモークができてきたが、Y氏はとうとうと語り続け、食事はなかなか進行しない。

Y氏
「もうこんなに幸せでええんかと思うて・・・。実は、最近ですね、ボクとしては珍しくタメ年の彼女もできたし、もう人生絶好調ですわあ」

「絶好調でなにより、なにより。長い人生の中でシアワセ〜って実感できる時なんてそうないんだから、シアワセ感じたら思いきりその時間を楽しまないとねえ」

Y氏
「うんうん、そうすよねえ」

と腕組みしてうなずくY氏はかなり満足気。

ワールドカップをアロマテラピーに置き換えて考えてみた。フランス・プロバンスやブルガリアのバラの谷、インド、イギリスなど名だたる精油の産地でお祭りや花摘みなどのイベントが同時期に開催されたとしたら、私も行かずにはいられない。
資金も一生懸命、捻出するだろう(できるか?) そして同時にステキな恋人が現れたとしたら、こんな風に天にも昇る思いでシアワセ全開になることは間違いない。
そういえばアロマテラピーといえば、Y氏のその後のアロマ生活はどんなだろう。うっとり顔のY氏に聞いてみた。

「そんなにプライベートが忙しかったら、家にいる時間もないし、うちのHPなんかも見ることないでしょ」

Y氏
「いや、ちゃんと見てますよ。HPでしょ。いい感じじゃないすか」

「そう!ありがとう、見てくれてるんだ。それじゃあ掲示板も見たりする?」

Y氏
「えっ、そんなモン、あったんすか?」


あるある。掲示板も下手なエッセイもあるんですよお。Y氏のウソつき〜。・・・この時ばかりはY氏との友人関係を解消しようかと真剣考えましたね。デザートにおいしい地卵のプリンが出てきたので思い直しましたが。
日本が予選3戦2勝1引き分けの予想外の活躍したいま、きっとY氏は歓喜の涙を流して喜んでいるでしょう。読者のみなさま、ニッポンカラーのアロハシャツにジーンズ、そして眼鏡をかけ、真っ黒に日焼けした、さんま似のサポーターを見かけたら、それはY氏です(^^)。

Y氏のお話はこれくらいにして。次回予告は「黒砂糖パックの威力にびっくり」

〜この項〜END

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